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子供たちの世代へアスベスト被害を無くすために


アスベスト被災者の救済

1.アスベストによる健康被害

アスベストは「石綿」とも呼ばれており、細長い形の天然の鉱物繊維で、6種類があります。
このうち、建築材料として使用された石綿は(1)白石綿 (2)茶石綿 (3)青石綿の3種類があります。

石綿は燃えずに、高温にも耐え、混ざりやすい、磨耗しにくいことにより品質の安定と経済性につながることから「奇跡の鉱物」として1970年代から1990年代に年間30万トンにも及ぶ量が輸入され、8割は建材として使用されました。
建設業従事者はアスベスト含有建材を加工作業又は解体作業中に発生する粉塵と一緒に空気中のアスベストを吸うことにより、30年から40年後に石綿肺・肺がん・胸膜中皮種や良性石綿胸水及び、びまん性胸膜肥厚を発症させます。このことから「静かな時限爆弾」とも呼ばれています。患者は今後40年間において10万人の規模で発症することが予測されています。
また、アスベストが原因による死亡者数は、年間で中皮腫で4,000人、肺がんで8,000人、合計で12,000人と推測されています。交通事故の年間死亡者数は10,000人とされていますので、交通事故死よりも多くなると推測されています。
特にアスベストが原因での肺がんは喫煙も大きな要因となります。
アスベストで肺がんになるリスクは、喫煙が重なると50倍にも跳ね上がるというデータもあります。

  • (1)石綿肺とは粉じんを吸入することによって肺に生じた繊維増殖性変化を主体とする病変を「じん肺」といいますが、じん肺のうち石綿によって生じたものを「石綿肺」といいます。
  • (2)石綿による肺がんとは、石綿を吸入して発症した「原発性肺がん」をいいます。
  • (3)中皮種とは肺・肝臓・胃などの臓器を囲む胸膜や腹膜等にできる悪性腫瘍のことをいいます。
    • ■関連リンク■

      • 厚生労働省 アスベスト(石綿)情報
      • 国土交通省・経済産業省 石綿(アスベスト)含有建材データベース
      • 「石綿健康管理手帳の交付用件の改正について」(PDF 482KB)
      • 独立行政法人 環境再生保全機構 ホームページ (改正石綿救済法の情報など)
      • 「特別遺族給付金」に関する、大切なお知らせ」(PDF 408KB)

      2.被災者の救済措置

      組合員や家族の方が石綿肺や石綿肺がん・中皮種を発病した場合には、救済措置があります。

      1.労働者は労災保険による救済措置があります。
      ●石綿肺
      石綿肺は、原則として都道府県労働局長によるじん肺管理区分(管理1~4)の決定がなされた後に、業務上の疾病か否かが判断されます。
      ①「じん肺管理区分が管理4」の場合に業務上の疾病として扱われる。
      ②管理2、管理3又は管理4の石綿肺に合併した合併症
      • ■肺結核
      • ■結核性胸膜炎
      • ■続発性気管支炎
      • ■続発性気管支拡張症
      • ■続発性気胸
      • ■原発性肺がん
      ●肺がん
      「原発性肺がん」であって、じん肺法に定める胸部エックス線写真の像が第1型以上である石綿肺所見が得られている場合や、胸膜プラーク等の石綿にばく露したことを示す医学的所見が認められ、かつ、石綿ばく露作業への従事期間が10年以上ある場合。
      • ①第1型の石綿肺
      • ②胸膜プラーク(胸膜肥厚班)+ 石綿ばく露作業10年以上
      • ③石綿小体又は石綿繊維 + 石綿ばく露作業10年以上
      • 注)ただし、③については、乾燥肺重量1g当たり5000本の石綿小体若しくは200万本以上(5μm超。2μm超の場合は500万本以上)の石綿繊維又は気管支肺胞洗浄液1ml中5本以上の石綿小体が認められた場合には、石綿ばく露作業への従事期間が10年未満であっても、業務上の疾病として取り扱われます。
      ●中皮腫
      「中皮腫(胸膜、腹膜、心膜、精巣鞘膜)」であって、じん肺法に定める胸部エックス線写真の像が第1型以上である石綿肺所見が得られている場合や、石綿ばく露作業への従事期間が1年以上ある場合。
      ①第1型の石綿肺
      ②石綿ばく露作業1年以上
      ※中皮腫の認定に当たっては、病理組織検査記録等から中皮腫であるとの確定診断がなされていることが重要ですが、病理組織検査が行われていない場合には、臨床所見、臨床経過、臨床検査結果等から総合して判断されます。
      ●良性石綿胸水
      胸水は石綿以外にもさまざまな原因(結核性胸膜炎、リウマチ性胸膜炎等)で発症するため、良性石綿胸水であるとの判断は、石綿以外の胸水の原因を全て除外することにより行われます。
      そのため、診断が非常に困難であり、また、個々の患者の障害の程度(必要な療養の範囲)もさまざまであることから、厚生労働省と協議した上で、業務上外の判断をします。
      ●びまん性胸膜肥厚
      びまん性胸膜肥厚については、肥厚の厚さや広がりが一定の基準に該当し、肺機能障害の程度が重いものであって、石綿ばく露作業への従事期間が3年以上ある場合に、業務上の疾病として扱われます。
      ①<肥厚の厚さ>
      最も厚いところが5mm以上
      <広がり>
      側胸壁の1/2以上(片側にのみ肥厚がある場合)
      側胸壁の1/4以上(両側に肥厚がある場合)

      ②著しい肺機能障害

      ③石綿ばく露歴3年以上
      ●石綿に関する健康管理手帳について
      石綿(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む)を製造し、又は取り扱う業務(石綿製品の製造工程における作業や石綿の吹き付け作業等)に従事して、健康診断の結果、両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚がある方は、離職の際又は離職の後に住所地の都道府県労働局長に申請し、審査を経た上で、「健康管理手帳」が交付されます。
      「健康管理手帳」の交付を受けますと、指定された医療機関で定められた項目による健康診断を決まった時期に年2回無料で受けることが出来ます。

      2.家族の場合における国の法律制定による救済措置について

      「石綿による健康被害の救済に関する法律」

      ●特別遺族給付金・・・時効で受給権の消滅した遺族が対象
      特別遺族給付金は、石綿救済法により平成13年3月26日以前に石綿ばく露を原因とする疾病により死亡した労働者の遺族で、労災保険法に基づく遺族補償給付の支給を受ける権利が時効によって消滅した方が支給の対象となります。
      また、特別遺族給付金は法施行日から3年を経過した平成21年3月28日以降は、その請求ができなくなります。早めに請求されることをお勧めします。
      ●労災保険給付の請求・・・救済法施行後の時効成立は救済法の適用なし
      平成13年3月27日以降に、業務による石綿ばく露を原因とする疾病によって死亡した労働者の遺族は、労災保険法に基づく遺族補償給付の請求となります。
      ただし、遺族補償給付を受ける権利は、時効によって労働者が死亡した日の翌日から起算して5年で消滅します。時効成立後は遺族補償給付も特別遺族給付金も受給できなくなりますので、ご注意ください。
      ●石綿ばく露の原因が明らかでない場合
      石綿ばく露を原因とする疾病について、石綿ばく露の原因が業務によるものなのか、業務以外の原因によるものなのかが明らかでない場合には、労災保険給付又は、特別遺族給付金の請求と同時に、石綿救済法に定められた「救済給付」の申請を行うことも可能です。

      ■3.中建国保被保険者の受診

      全国建設労働組合総連合(全建総連)では、中央建設国民健康保険組合(中建国保)を運営しています。中建国保福島県支部では医療機関から提出されるレセプト(診療報酬明細書)の病名で、アスベストが原因で発症すると思われる8種類の病名の受診者数を調査しています。
      また、NPO法人東京労働安全衛星センター及びひらの亀戸ひまわり診療所と提携し、職業病の発見に努めてます。

      【アスベストが原因と疑われる病名】

      • 1.肺がん
      • 2.肺結核
      • 3.肺繊維症
      • 4.アスベスト肺
      • 5.珪肺
      • 6.じん肺
      • 7.胸膜肥厚斑
      • 8.悪性胸膜中皮腫(中皮腫疑いを含む)

      調査の結果、毎月上記の8種類いずれかの病名で医療機関に新規受診されている福島県支部の被保険者数は月平均で18人、継続受診者数は月平均で13人となっています。病名に思い当たる方は組合に是非ご相談下さい。
      また、現在健康に支障が無い場合でも、特に石綿を取り扱った事が思い当たる方、または次のような自覚症状が認められる場合もご相談下さい。

      【自覚症状】

      • (1)最近、息切れがひどくなった場合
      • (2)せきやたんが以前に比べて増えたり、たんの色が変わった場合
      • (3)たんに血液が混ざった場合
      • (4)顔色が悪いと注意された場合や爪の色が紫色に見える場合
      • (5)顔がはれぼったい場合、または手足がむくんだり、体重が急に増えた場合
      • (6)はげしい動悸がする場合
      • (7)風邪をひいてなかなか治らない場合
      • (8)微熱が続く場合
      • (9)高熱が出た場合
      • (10)寝床に横になると息が苦しい場合
      • (11)食欲がなくなったり、急にやせた場合
      • (12)やたらに眠い場合
        • 被害を未然に防ぐ

          1.石綿障害予防規則の施行

          石綿は1970年代から1990年代に大量に輸入され、その多くは建材として建築物に使用されました。今後これらの建築物が古くなることによる解体工事が増加することに伴い、解体工事に従事する労働者の石綿暴露による健康障害の発生が懸念されています。
          そこで、関係労働者の健康障害防止対策のために、「石綿障害予防規則」が制定され、2005年7月1日より施行されています。解体等の作業における石綿対策の大まかな内容は以下のとおりです。

          2.事前調査が必要です

          • (1)事業者は石綿の使用の有無を調査し、その結果を記録しなければならない。
          • (2) 工事の発注者は、請負人に石綿の使用状況等を通知するように努めなければならない。

          3.作業計画

          事業者は、作業計画を定めて作業を行わなければならない。

          • (1)作業の方法及び手順
          • (2)石綿粉じんの発散を防止し、又は抑制する方法
          • (3)労働者へ石綿粉じんのばく露を防止する方法

          4.届出

          耐火・準耐火建築物の吹き付け石綿の除去作業は工事開始前の14日前までに、その他の作業については工事開始前までに所轄の労働基準監督署長へ届出なければならない。

          5.特別教育・作業主任

          • (1)事業者は解体等の作業に従事する労働者に、石綿に関する教育を行わければならない。
          • (2) 事業者は石綿作業主任者を選任しなければならない。

          6.保護具等・湿潤化

          • (1)石綿を含む建材等の解体等をする時は、労働者に防じんマスク、作業着又は保護具を使用させなければならない。
          • (2) 保護具等は、他の衣服から隔離して保管し、作業場外に持ち出しをしてはならない。
          • (3) 石綿を含む建材等の解体等をするときは、それらを湿潤なものとしなければならない。

          7.隔離・立入禁止等

          • (1)吹付け石綿の除去=作業場所を隔離
          • (2) 石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材の解体等の作業=作業に従事する労働者以外の立ち入り禁止とその表示。
          • (3) その他の石綿を使用した建築物の解体=関係者以外の立ち入り禁止とその表示

          8.注文者の配慮

          解体工事等の注文者は、作業を請け負った事業者が、契約条件等により必要な措置を講ずることができなくなることのないよう、解体方法、費用等について、法令の規定の遵守を防げるおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない。
          子供たちに被害を及ぼさないために建材を含め、石綿製品の完全禁止と石綿を製造してきた企業の情報開示が必要となっています。
          また、解体工事現場でアスベスト建材が適切に分別されずに一般建築廃材として処分されると、コンクリート、アスファルト、木材など特定資材を用いる建築物を解体する際に廃棄物を現場で分別し、資材ごとに再利用することを解体業者に義務づけている「建設リサイクル法」により再利用され、半永続的にアスベスト建材が市場に出回ることも懸念されます。


          子供たちの世代に被害を及ぼさないためにも、早急なアスベストの全面禁止と適切なアスベストの処理が必要となっています。
          仕事の経過や症状に心当たりのある方はすぐに組合までご連絡ください。
          労災認定に向けて対応します。


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